きっかけは化粧品業界の研究環境に惹かれたことです。就職先に悩んでいた際、コーセーの方から『化粧品はあらゆる知識の複合戦。分野を組み合わせて唯一無二の研究ジャンルを創ることもできる』とお聞きし、キャリアを通じて様々な研究を楽しみたいと考えていた私にピッタリであると感じました。

入社後も、薬学、皮膚科学、合成化学など多彩な専門スキルを持つ研究者と話す機会に恵まれ、新発見にあふれる研究生活を過ごせています。

入社後は分析グループに所属し、化粧品の品質評価を行っています。化粧品を「化学的に評価する」ことで、新たに化粧品の価値を発見できることに魅力を感じ、現部署への配属を希望しました。

あらゆる化学データの取得依頼に応えることが私たちの使命であり、業務内容は製品の安定性保証や各国法規制への対応など様々です。

コーセー品質の要となるプロフェッショナルな部門でありながら、化粧品という対象をじっくりと理解し、見つめられる素敵な部門であると感じています。

分析グループでは、主業務である品質保証のような「守り」の仕事とは別視点で、他部門からのニーズに応えるべく「攻め」の基礎研究も推進しています。

例えば「日やけ止めが肌上でどうなっているのか可視化したい」といった製品部門の要望を受けた際は、数々のアイデアを発案し、電子機器メーカーとの共同研究によって新しいイメージング技術の開発に成功しました。アイデアの具現化には障壁が沢山ありましたが、新製品の評価依頼をいただくことも多く、「自分発案の評価技術が認められた！」と、とても誇らしい気持ちになります。またこの新技術は、特許化や専門誌での掲載などを経て、化粧品業界全体へと応用範囲が広がりつつあります。

化粧品業界では、私たちのような基礎研究者の立場であっても、第一線で活躍できるチャンスが沢山あることが魅力のひとつです。これからも、コーセー製品の品質の良さ、また基礎研究の魅力を世界中に伝えられると嬉しいです。

コーセーでは、自身のアイデアを提案できるイベントが社内で定期的に開催されており、常に失敗を恐れずアクティブに働くことができています。

私が初めて共同研究を発案したのは入社２年目のときでしたが、そのときも年齢に関係なく、その人の熱意や研究アイデアの面白さをきちんと評価してくれました。社員同士の距離感もかなり密接なので、周囲とのディスカッションを通して、自分の研究が全く新しい方向へ広がっていくことも多々あります。このような面白さは、社員が持つ多種多様な価値観あってこそ、と日々感じています。

またコーセーの研究員には、各々に「〇〇といったらこの人！」という専門領域がありますし、個性の光らせ方がとにかく上手な印象があります。それどこで思いついたの！？と思うようなエッジの効いたアイデアも数多く見かけるので、周囲から新しい研究アイデアを聞くこともまた刺激的です。そんな環境の中で、私も「次は何をしようかな」と毎日アンテナを張って楽しんでいます。

化粧品業界の未来をより明るいものに変えられるようなことをしたいです。

化粧品に求められる価値はもはや肌効果だけでなく、エコシステムへの貢献や、デジタルとの融合など、劇的に変化していることを実感します。この中で私たち研究者は、その時代に沿った適切な変化を主体的に生み出す力があると信じています。

自分の研究成果で化粧品業界の未来を変えられるかも？と考えると、好奇心が高まります。入社時、上司に「一流の研究者たるもの研究成果を整理し、発信することを怠るな」と教わったことをよく覚えていますが、今の職場は一人の研究者として躍進するための重要なスキルをしっかりと磨くことができる環境であると実感しています。

今後もこういったスキルを磨き続け、化粧品業界の未来をよりクリエイティブに、そしてコーセーの魅力を世界中に伝えられたら嬉しいです。