環境指標
コーセーグループは、環境保全活動を推進するにあたり、7項目の目標を環境指標として策定しています。その推進を担うサステナビリティ推進委員会では、気候変動リスクや環境課題などを議論し、重要課題はサステナビリティ委員会で検討、取締役会に報告されます。
また、環境指標は、前年度の実績や社会ニーズに合わせて毎年見直しを行っています。
1. 環境汚染物質の管理・自主的削減
環境指標
化粧品は身体に直接使用するものなので、製造段階でも有害な化学物質を使用することはありませんが、まれにPRTR法(特定化学物質排出量の把握・管理促進法)など、化学物質の管理に関する法律や条例の適用を受ける物質を使用する場合があります。
コーセーでは対象となる化学物質をどれだけ環境中に排出したかを監視・測定するシステムを構築しています。この監視・測定システムの運用によって法律に厳密に対応するとともに、これらの化学物質の使用や排出の削減に努めています。
2. 環境に配慮した製品開発の促進
環境指標
コーセーでは、自主基準となる「ECO BOOK」で策定した「容器包装形態エコ基準」や日本化粧品工業連合会にて推進している「アクセシブルデザイン」などの各種基準に則り、環境に配慮した製品開発に取り組んでいます。
また、プラスチックの使用に関しては、政府の「プラスチック資源循環戦略」に準じて、
<リデュース>・
<リユース/リサイクル>・
<再生利用/新素材利用>に取り組んでいます。
3. 廃棄物削減への取り組み
環境指標
コーセーでは、工場や事業所から発生する廃棄物の発生量を削減し、発生した廃棄物については社内外での再利用・リサイクルを推進し、循環型社会の構築への貢献を目指しています。また、ISO14001を取得している工場では、認証範囲内において廃棄物に関する教育を実施しており、ISO14001の要求事項に従って、内部監査を行い環境マネジメントの有効性を高めています。廃棄物削減目標に対する進捗状況については、マネジメントレビューにて評価しています。
削減目標・実績
(株)コーセーの生産部門では、2015年度基準に、生産数量あたりの廃棄物量の削減目標を毎年0.5%と設定し、廃棄物発生量の削減とリサイクル活動の推進(ゼロエミッション)に取り組んでいます。
4. 気候変動への取り組み
環境指標
コーセーは、国際社会の一員として、その基盤となる社会や地球環境のサステナビリティにおける責任を果たすために、気候変動への適応として、CO2排出量の削減は大変重要な課題と捉えており、積極的な削減に取り組みます。
そのため、「コーセー サステナビリティ プラン」において、2030年までのGHG排出量削減目標をScope1・2で55%削減(SBT1.5℃目標※1認定を取得)、バリューチェーン全体(Scope3)で30%削減(SBT認定※2を取得)と設定(いずれも2018年度を基準)しました。さらに、長期目標として2040年にScope1・2でカーボンニュートラル、2050年にScope1・2・3でネットゼロを設定し、気候変動への取り組みを強化していきます。その実現にむけて、全社横断型のプロジェクトを発足し、各工場における省エネへの取り組み・クリーンエネルギーへの転換検討を行っています。
また、私たちの主要工場では、日本の法律でもある省エネ法をベースとして以下のような取り組みにより年率削減率1%の毎年のエネルギー原単位削減に努めています。
- 1:各工場における省エネに向けた目標の設定
- 2:省エネを実現するための計画策定(中長期計画含む)
- 3:燃料転換、高効率設備、省エネに向けた運用改善及び投資
- 4:省エネに向けた標語の掲示や従業員への周知・教育
- 5:省エネに向けた改善提案の募集
- 6:CO2排出量の算定のタイミングでの省エネ施策の進捗評価
- 7:再生可能エネルギーの導入推進
営業部門では営業車数の削減やエコカーへの切り替え、事業所ごとの省エネ活動など、コーセーグループ全体として取り組みを進めています。
1:国際的イニシアチブ「SBTi(Science Based Targets initiative)」が提唱する、パリ協定が求める水準と整合した目標。世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて1.5℃に抑えるための科学的な根拠に基づき設定。
2:国際的イニシアチブ「SBTi(Science Based Targets initiative)」による認定
環境負荷の全体像
気候変動への対応
コーセー サステナビリティ プラン取り組みテーマの中長期目標
事業活動によるCO2(GHG)総排出量実績
コーセーグループ全体における事業活動によるCO2(GHG)総排出量(Scope1・2・3)を算定し、削減に向けて管理しています。また、第三者からの独立した検証を受検しています。
5. 水資源への取り組み
世界全体において、水は大変貴重な資源であり、またスキンケアやヘアケア商品などを生産する際に欠かせない成分の一部であることから、コーセーは水資源の重要性について十分認識し、水使用量(取水量)の削減および水資源の保全に取り組み、事業活動を行っています。あわせて、安全な水と衛生に対する人権や水に関する文化など、幅広い視点で水資源に配慮し、法令・規制を遵守することで、持続可能な水利用を目指します。これらの取組みは当社だけでなく、当社が事業を行う地域すべてを含みます。
水資源の利用が最も多くなるのは生産事業であることから、コーセーでは、WWFが提供するWater Risk Filterを用いて水関連リスク評価を行っています。
分析の結果(2022年度時点):水ストレス地域が高いと評価された自社生産拠点は4ヵ所あることを確認しました。群馬工場(日本・群馬県伊勢崎市)、狭山工場およびアドバンス(日本・埼玉県狭山市)、熊谷工場(日本・埼玉県熊谷市)が水ストレス地域下にあり、全生産拠点数の8割にあたります。(水ストレス地域に所在する国内4工場の2022年度の取水量:300,851m3)水を重要な原材料として使用する当社グループにおいては、製品の製造において水ストレス地域で製造されていることを強く認識し、水資源の効率的使用や使用量削減に努める必要性を確認し、施策を講じていきます。
また、当社グループの全生産部門(5拠点)では、水の管理計画を策定しています。具体的には、取水/排水量・リサイクル量・排出時の水質管理などを実施しており、水使用量の削減・水の再利用の促進や新技術の開発などで水資源の保全を積極的に推進します。
ISO14001を取得している工場では、認証範囲内において水使用量削減に取り組んでいます。当社では製品製造に多くの水を使用する企業として、従業員すべての節水、水効率に対する意識向上が重要であると考えています。水使用量削減に向けて毎年目標の達成状況の評価と結果の伝達の際に、関連する従業員へ周知、教育しています。
- 節水活動例:ミキサー洗浄時は、自動洗浄機器を使用しての節水。生産備品の滅菌では熱水を使用せず、アルコールでの滅菌処理。従業員の施設内日常使用での節水活動。 など
- 水の再利用活動例:バルク製造時の冷却工程では、水の循環設備を使用しての冷却の実施。ドレン水(熱交換時に発生する結露)を洗浄水として使用。 など
環境指標
水資源の持続的な利用のために、水使用量・取水/排水に関して十分な配慮を行い、事業を推進します。
- 節水活動・水の再利用や新技術の開発などで水資源の保全に積極的に取り組みます。
- 法に基づく、適切な排水処理をし、土壌汚染、大気汚染防止に務めます。
アルビオン熊谷工場では、水質改善・管理活動の例として以下の取り組みを行っています。
<法規制値>
- 濃度規制(mg/L) :BOD(25)、SS(60)、n-ヘキサン(5)
- 総量規制(㎏/日):COD(4.1)、N(1.8)、P(0.18)
<自主基準値>
- 濃度(mg/L):BOD(20)、SS(50)、n-ヘキサン(3)
- 総量(㎏/日):COD(4.0)、N(1.0)、P(0.1)
その他、厳しい自主基準を設けて日々監視するとともに、日常の運転管理および定期整備を計画的に実行して排水処理施設の性能維持を図っています。実績管理では、前年度および前年度値を、基準年および基準年値とし、毎年前年度の値を下回ることを目標にしています。
削減目標
「コーセー サステナビリティ プラン」において、2030年までに生産拠点において水使用量(取水量)を12%(年率1%・2018年度比・生産原単位)の削減を中長期目標として定めました。2022年度における進捗は、目標に対して+5.9%です。(2022年度より、データ算定方法を一部変更しました)
6. 環境マネジメントシステムの推進
環境指標
生産部門、SCM部門を中心に、国際規格「ISO14001」に基づく環境マネジメントシステムの推進および徹底を図ります。また、必要に応じてサステナビティ推進委員会への報告・相談を実施し、環境マネジメントシステムの拡充・対応範囲の拡大などを検討し、全社的な強化に結び付けます。
7.環境法令遵守の状況
コーセーグループでは、環境法令について法令遵守の確認を、グループ全体を対象として毎年実施しています。2020年~2023年の直近4ヵ年で、重大な環境関連法規制等への違反はありませんでした。今後もグループ全体で、法令遵守に努めていきます。
8. 環境保全への啓発活動の推進
環境指標
社内外のステークホルダーに対し、広く環境意識を高める活動の推進を図ります。
お客さま
- 雪肌精「SAVE the BLUE」プロジェクトなどを通じた環境保全意識の啓発
雪肌精「SAVE the BLUE」プロジェクト
雪肌精「SAVE the BLUE」とは、植物性由来の雪肌精が、地球の恵みに対する恩返しの気持ちを込めて、2009年からスタートした環境支援プロジェクトです。 地球温暖化の影響による、沖縄の海のサンゴ礁の保全活動を中心に、2018年より2021年までは、東北の森林保全活動も実施しました。そして、2022年の冬からはCO2削減につながる再生可能エネルギーへの切換えを支援する「SAVE the BLUE Snow Project」を開始しました。
他、ステークホルダー
- コーセーレポート(統合報告書)、ホームページなどによる活動状況報告
- サプライヤー様への環境保全に関する配慮事項の明示
社員
- サステナビリティ推進委員会からの各種発信
- 社内報での環境活動の啓発
- 社内インフラへのバナー掲載 など
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