学生時代から、パソコンを開けば常に化粧品の口コミを読んでいるような、いわゆる「コスメオタク」でした。さらに、昔から栄養学などが好きで、「どんな良い成分が、どのように肌（体）に良い影響を与えるのか」そのメカニズムを探ることに興味がありました。

そのため、化粧品会社の研究員になることは学生時代からの夢でした。そんな時にコーセーのインターンシップに参加し、そこで感じた社風、社員の人柄などに惹かれ入社を決めました。

入社後は一貫して念願だった皮膚科学研究、美容成分の効能研究に日々取り組んでいます。具体的には、ONE BY KOSÉやDECORTÉなどの新商品のコンセプト立案や研究を担当しました。

研究の立場から最適な美容成分を検討し、どうすればお客さまにとってより魅力的な商品にできるか、企画開発担当者と打ち合わせを重ねながらモノづくりを行っています。また、今後の商品への応用を見据えた基礎的な皮膚科学研究や新規美容成分の開発も行っています。

海外での研究発表は自分にとって一つの大きなチャレンジでした。具体的には、私は心理的ストレスが肌状態に与える影響について研究しており、フランスのリヨンで開催された国際学会で口頭発表を行いました。英語でのプレゼン準備やコミュニケーションには苦労しましたが、結果的に参加者から多くの好意的なコメントをいただくことができました。

また、この学会には同業他社のみならず、大学や国立の研究機関の研究者も多く参加しており、欧州の皮膚科学分野を牽引する研究者と対面でディスカッションをすることができました。この経験は私にとって、グローバルな舞台で活躍する研究員としての大きな一歩となり、今後の活動に向けて自信をつける糧となりました。そしてこの経験をもとにさらに研究を深め、化粧品業界最大の国際学術大会であるIFSCCで新たな研究成果を発表しました。

このように、目に見える成果が早くコンスタントに生まれる点は、研究職の中でも特に化粧品業界に就職して良かったと感じている部分です。さらにその研究成果を商品という形でお客さまに届けることができること、その商品を使ったお客さまからの声を聞くことで日々喜びを感じています。

新商品のプロモーション支援活動は企画開発担当者、PR担当者、研究担当者などの関係者がチーム一丸となって協力して行われます。その際には特に、「難しい研究の話を簡単にわかりやすく伝える力」が求められます。

私たち研究員は、まず企画開発担当者に研究の内容を理解してもらい、それを製品に応用し、最終的にはお客さまにそれを理解してもらわなければいけません。専門的な知識をどのような言葉で、どのように例えればわかりやすく伝わるのかを考えます。しかし、我々研究員だけではどうしても良いアイデアが浮かばないことがあります。その際は、お客さまや販売現場のことを近くで見ている本社の社員の方からアドバイスをいただきます。そうすることで研究の価値をわかりやすく伝えることができ、この経験が日々勉強になっています。

また、コーセーはジョブローテーションが盛んであるため、研究所でキャリアを積んだ後、本社の企画部門やマーケティング部門などに異動することも少なくありません。研究員の視点とお客さま視点の両方をバランス良く持った人材として成長できる点は、コーセーならではの強みだと感じます。

私はお客さまがコーセーの商品に興味を持っていただくきっかけ作りができることに、何よりもやりがいを感じています。今後はコーセーの化粧品の魅力や研究力を日本国内だけでなくグローバルに発信できる研究員になり、世界中の人にコーセーの商品を使ってもらう足がかりを継続的に作っていきたいです。

そのためには、皮膚科学のプロフェッショナルとしてより幅広い専門知識やスキルを習得すべく研究活動に邁進するとともに、研究力だけでなくコミュニケーション能力も含めてグローバルで戦える研究員に成長したいです。

そのうえで、製品開発の経験を積みと同時に、販売現場やお客さまが求めていることをより深く理解した、「研究者目線×お客さま目線」をバランスよく持つ研究員として、コーセーのグローバルにおける発信力強化とさらなるプレゼンス向上にチャレンジしたいです。