飽くなき探求と検証を重ね
緻密で繊細なデザインを施し 世界観を表現する私の「こだわり」ポイント!
学生時代に夢中だったこと
Q1. コーセーに入社を決めた理由について、学生時代の出来事と絡めて具体的に教えてください。
大学では主にプロダクトデザインを専攻していました。立体だけではなく、グラフィックも合わせたトータルのクリエイティブに興味があり、化粧品会社を志望しました。
また、化粧品はブランドの市場性に合わせて、ミニマルな表現もラグジュアリーな表現も幅広くデザインを提案できるので、そういった意味でも面白い業界だなと思ったのを覚えています。
Q2. 具体的なお仕事の内容を教えてください。
新卒でデザイン室に配属されて以来、『雪肌精』『FASIO』『ONE BY KOSÉ』『DECORTÉ』など様々なブランドのパッケージデザインを担当してきました。
2022年から『DECORTÉ』のアートディレクションに従事しています。容器形状からカラーリング・グラフィックデザイン・ポーチなどの雑貨まで、商品のデザインの全てをチームで担当しており、スケッチから3Dワーク・模型制作・プレゼンテーションまでデザイナーが主体的に進めています。
Q3. 現在のお仕事でご自身が壁を越えた、大きなチャレンジをした、と感じた経験を教えてください。
『DECORTÉ』の「Marcel Wonders Collection※1」では、毎年どうやってつくるの?というくらいファンタジックなデザインを提案しています。ジャガード織の工房に通って織りの知識から教えていただいたり、陶磁器メーカーと試作を重ねて強度を確かめたり、通常よりもはるかにチャレンジングなプロセスを踏んでいます。
今年はシェルのデザインを再現するためにパールをマーブルになるように成形する試みを行いました。職人が関わるようなプロセスでは、コントロールできるところと、あえてしないところを両方取り入れて進めることで、ただの量産品ではない価値が生まれると感じています。毎回新しい分野を勉強することで、これまでできなかったアートピースをつくる気持ちで取り組んでいます。
- プロダクト&インテリアデザイナーとして世界で活躍しながら、『DECORTÉ』のアートディレクターを務めるMarcel Wonders氏によるデザインのフェイスパウダー
1日のスケジュール
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在宅業務開始 メールチェック・図面確認
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昼食・移動
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出社 3D打合せ 容器形状検討
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印刷会社と打合せ 箱の印刷方法検討・分版確認
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試作サンプル校正
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デザインミーティング メンバーの業務進捗確認・情報共有
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海外とWEBミーティング Marcel Wondersチームとデザイン確認
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業務終了
Q4. チーム一丸となって取り組んだ経験、もしくはダイバーシティを感じた瞬間を教えてください。
『DECORTÉ』ではMarcel Wonders氏をはじめグローバルなチームでモノづくりを進めることも多くあります。普段はメールやWEB会議でコミュニケーションを行いますが、実際のサンプルができたときなど年2、3回は実際にアムステルダムに行って顔を合わせてミーティングをします。
私たちがヨーロッパの文化に憧れるように、彼らもまた日本の文化をリスペクトしていることをよく感じます。禅の思想や日本庭園に見られる美学などの話は皆かなり好きで、私たちもそれを聞いて自国の文化の良いところを再認識することがあります。
また、難易度が高い商品が多いため、実際に実現するためには社内外の人の協力が不可欠です。専門分野の違う人同士が集まることで、様々な手段を検討でき、一人では生み出せなかったアイデアが生まれます。時には衝突することもありますが、メンバーがより良いものに向かって前向きに連携しながら仕事をしています。
Q5. 今後、コーセーでチャレンジしたいことを教えてください。
現在、『DECORTÉ』とは別に社内の新規事業提案で採択された、子どものスキンケアの習慣化に取り組んでいます。専用のスキンケア商品と共に、キャラクター、絵本やスキンケアブックなどのコンテンツを通して、子どもが自発的にスキンケアをしてくれるような事業に発展させていきたいです。幼保施設や子ども用品店などに取り組みを広げてスキンケアが親子のスキンシップとして定着してくれたら嬉しいですね。