コウジ酸

コウジ酸の開発秘話

コウジ酸という素材

コウジ酸の構造式

コウジ酸の発見は1907年。その後、麹を扱う職人さんの手が白く滑らかであることから、盛んに研究が始まり、1988年に厚生省(現・厚生労働省)によって美白有効成分として認可されました。

優れた美白効果を持つコウジ酸ですが、化粧品への配合は困難を極めました。効果を維持しながら化粧品に配合するためには非常に高い技術力がいるためです。ときに折れそうな気持ちを奮い立たせ、研究者として絶対に世の中に送り出す!という信念のもと、さまざまな難関を乗り越えて、1990年にコウジ酸配合化粧品「コーセーホワイトニングクリームXX」を発売することができました。以来、長年愛用してくださっている多くの皆さまのご支持のおかげで、コウジ酸製剤はさらなる飛躍を遂げています。

コウジ酸のサイエンス

シミができるメカニズム

加齢とともに現れるシミは、皮膚科学では色素沈着症と呼ばれます。その種類はさまざまですが、特に紫外線によって悪化する傾向にあるのが、肝斑や老人性色素斑、雀卵斑(そばかす)です。これらが形成されるのは、皮膚の中の「メラノサイト」と呼ばれる細胞が、メラニンと呼ばれる色素を過剰に生成するためです。コウジ酸は、メラノサイトが過剰なメラニンを産生するのを抑制することで、美白作用を発揮します。

メラニンが黒色の色素になるまでの様子

メラニンは、アミノ酸の一種であるチロシンに、チロシナーゼという酵素が働きかけることで、黒色の色素へと化学変化します。チロシナーゼは、銅イオンを持つことによって、活性状態になります。コウジ酸は、チロシナーゼから銅イオンを奪い取ることのできる「キレート作用」により、メラニンの産生を抑制し、美白作用を示すのです。

研究の強み