サステナビリティ方針・推進体制
サステナビリティ指針
1946年、コーセー創業者の小林孝三郎は、人々の心に夢と希望を与える化粧品づくりに限りない情熱を込めてコーセーを立ち上げました。
それ以来、「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する」ことを存在理念とし、
他にはない価値づくりを先んじて行う美の創造企業として、現在まで着実に成長を続けています。
この成長は、創業以来ビューティパートナーシップを築いてきた多くのお客さま、取引先、社員や地域の人々との繋がり、そして自然の恩恵があってこそ実現できたものです。
このパートナーシップを次世代にもつなげ、事業で社会課題を解決しながら、創業者が志した「美を通じて心が潤いと彩りで満たされる」社会を実現していくために、今まで以上に私たちの英知と感性が生み出す知恵をビジネスに活かしていく必要があると考えます。
誰もが自分らしさを大切にしながらなりたい姿を追求できる社会、そして誰もが安心して暮らせる地球環境をかなえるために、私たちはコーポレートメッセージでもある「美しい知恵 人へ、地球へ。」をサステナビリティ指針として掲げ、実践していきます。
基盤となるポリシー
「正しきことに従う心」は、コーセー創業者である小林孝三郎の座右の銘でした。
この言葉は、創業以来の企業精神の根幹であり、当社グループで働く全員が守るべき「行動憲章」として掲げています。ガバナンス体制の根幹となる行動憲章と同じく、社名の由来でもある「誠」=誠実な姿勢で、透明性と公正性をもって社会の公器であり続けることを示すポリシーとしています。
正しきことに従うためには
勇気がいります
忍耐がいります
知恵と努力が必要です
柔軟な心と素直さが必要です
今でも 一歩でも近づきたいと
自分の心に言い聞かせている
毎日であります
コーセー創業者 小林孝三郎
グループの行動指針の中核である『行動憲章』において、創業者の座右の銘で ある「正しきことに従う心」をもって自らを律し、誠実で良識ある判断に基づき行動し、関わる人々の人権を尊重することで、広く社会から信頼され、支持される企業となるよう全力を尽くすこととしています。
国連グローバル・コンパクトに署名
国連の提唱する「国連グローバル・コンパクト」(以下、UNGC)に署名し、2017年7 月に登録されています。UNGC は、各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取り組みです。
コーセーグループは、「美しい知恵 人へ、地球へ。」「正しきことに従う心」の指針に基づき、グローバル社会の一員として、「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野にわたるUNGCの10 原則を支持・尊重・実践し、持続可能な社会の実現を目指して取り組んでまいります。
コーセーグループが支持・尊重・実践する
グローバル・コンパクトの10原則
人権
- 原則 1: 企業は、国際的に宣⾔されている⼈権の保護を⽀持、尊重すべきである
- 原則 2: 企業は、⾃らが⼈権侵害に加担しないよう確保すべきである
労働
- 原則 3: 企業は、結社の⾃由と団体交渉の実効的な承認を⽀持すべきである
- 原則 4: 企業は、あらゆる形態の強制労働の撤廃を⽀持すべきである
- 原則 5: 企業は、児童労働の実効的な廃⽌を⽀持すべきである
- 原則 6: 企業は、雇⽤と職業における差別の撤廃を⽀持すべきである
環境
- 原則 7: 企業は、環境上の課題に対する予防原則的アプローチを⽀持すべきである
- 原則 8: 企業は、環境に関するより⼤きな責任を率先して引き受けるべきである
- 原則 9: 企業は、環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである
腐敗防止
- 原則 10: 企業は、強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防⽌に取り組むべきである
サステナビリティ推進体制
コーセーでは、1997年に「地球環境委員会」を組織し、生産現場で廃棄物を実質的になくす「ゼロエミッション」や、非生産部門を含めたエコ活動を進めてきました。2013年度からは、社長を委員長とする当社グループ横断の「CSR委員会」および実務推進を担う「CSR推進委員会」をスタートし、企業メッセージ「美しい知恵 人へ、地球へ。」に即したサステナビリティ推進活動に取り組んでいます。2030年に向けた持続可能な開発目標(SDGs;SustainableDevelopmentGoals)に貢献するため、各部門の活動の中で取り組みを進めていきます。
2019年より「CSR委員会」「CSR推進委員会」は「サステナビリティ委員会」「サステナビリティ推進委員会」に改称しました。
サステナビリティ推進活動の実践
当社グループは、ISO26000を用いて課題を洗い出し、国際社会の変化にも配慮しながら当社が 優先的に取り組むべき課題を設定しています。今後特に注力すべき課題を選定し、寄与することが可能と考える、国連グローバル・コンパクトの掲げる「SDGs」の目標を選定しています。またその実践にあたっては、「サステナビリティ推進委員会」の組織によりグループ内の連携を図りながら、各部門が主体的にそれぞれのサステナビリティ推進活動の実践に取り組んでいます。
各種団体等との連携
当社グループは、日本政府の目標である2050年ネットゼロやパリ協定での合意事項を支持しています。また、当社グループは、国の気候変動に関連する省エネ法や温対法を支持し、毎年、行政へエネルギー使用量・エネルギー削減目標の進捗状況・温室効果ガス排出量等の報告を行うなど、政策担当者と適宜協働を行っています。2020年にはTCFDへの賛同も表明し、2022年度には、新たに、2040年までにCO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュ ートラルを目指すことを決定し、2030年までのCO2排出量削減目標について、SBT1.5℃目標に準じた設定に上方改定しました。同年、当社は環境省のカーボンフットプリント(CFP)モデル事業に採択されました。このモデル事業は、気候変動の緩和を促進する目的で、製品・サービスのCFPの算定及び表示・活用や、CFPを活用した小売店の調達・表示等の取組に関する先進的なロールモデルを創出するものです。このモデル事業の中で、主力商品のCFPの算定を実施し、そのノウハウ習得や課題の確認を行うことが出来ました。合わせて、環境省に対して、このモデル事業への課題や要望等を積極的に発信しています。また、気候変動イニシアティブのJCI(Japan Climate Initiative)に参加しており、JCIの活動を通じて、環境省・経済産業省との対話を継続しており、その中でCO2排出目標の引き上げ、再生可能エネルギーの拡大等の提案・要請を行っています。合わせて、当社グループは、関連する業界団体への参画や様々なNGO等との連携を通じて、各種のサステナビリティへの取り組みを効果的に進めています。業界団体としては、日本化粧品工業会(略称:粧工会)に所属して常任理事として参画、業界共通の様々なテーマにおいて連携して取り組んでいます。特に、環境・サステナビリティの分野では、サステナビリティ推進委員会のメンバーとして、2015年の「日本化粧品工業連合会 サステナビリティ指針」(日本化粧品工業連合会は日本化粧品工業会の旧名称)の策定、2023年の改定に参画し、化粧品業界の気候変動対策の推進に貢献しています。現在これは、 粧工会のWEBサイトにて公開されています。本指針においては、化粧品を製造販売する企業が関与すべきISO26000の6分野のうち、特に、消費者課題、環境、人権・労働慣行、コミュニティへの参画の4分野における活動の重要性を認識し、事業のバリューチェーン全体を見渡した自主的な活動方針を策定・実践することとされています。その中の環境では、「美しさの実現と環境配慮が共存した商品やサービスの開発」と「事業活動における環境負荷低減および環境保全活動」をテーマとして、気候変動の防止や生物多様性の保全に業界として積極的に取り組むことを掲げており、当社グループもこの指針を積極的に支持・支援しています。
当社は、2019年にRSPOに加盟し、サステナブルなパーム油の調達を目指して 認証油の採用を進めています。また2020年より、持続可能なパーム油のための日本ネットワークであるJaSPONにも参画し、JaSPONメンバーとともに、持続可能なパーム油の調達と消費に向けた取り組みを行っています。
また、2021年度には、サプライチェーンにおける人権課題等への取り組みを進めるため、Sedex(Supplier Ethical Data Exchange;https://www.sedex.com/ja/)に参加し、日本で15番目のAB会員となりました。今後はSedexの様々なリソースを活用しながら、サステナブルで責任あるサプライチェーンの構築に向けて、サプライヤー様と連携し、人権課題等の対応に取り組んでいきます。